石灰窒素で省力化と作業性向上を実感
千葉県野田市 ㈱野田自然共生ファーム 伊藤さん
今回インタビューに応じてくださった㈱野田自然共生ファームの伊藤さんは、千葉県内一の麦類・大豆の産地で大規模な経営を行っています。
伊藤さんは、以前から次のような悩みを抱えていました。
①管理する面積が広いため、省力的な施肥法で作業負担をできる限り減らしたい。
②大豆前作の麦稈の処理に困っている。
これらのお悩みに石灰窒素で対策すべく、試験に取り組んでいただくことになりました。
①については、まず麦類の基肥として播種7~10日前に石灰窒素を施用する試験からスタートしました。普段はコーティング肥料入りの一発肥料などを使用されていますが、希望するタイミングで肥効が現れないことがあり、追肥を行うこともあるそうです。石灰窒素を施用した圃場では、葉色がよかったため、今回は追肥を省略できたとのことでした。また、省力的に栽培できたにもかかわらず、慣行の一発肥料と同等の収量が得られました。
②については、麦稈の分解促進を目的に、25㎏/10aの石灰窒素を麦刈り跡に施用していただきました。
「3~4週間経ってから耕うんしたところ、石灰窒素を使った圃場ではロータリーへの麦稈の絡みが減って、作業が驚くほど楽になりました」とコメントをいただきました。「いつもなら耕うんのときに麦稈や株跡が多く残っていて、圃場がデコボコになります。石灰窒素を使った圃場では、簡単に綺麗に平らにすることができました」と作業性の向上を実感していただけました。
また、後作の大豆では「生育がよく、通常7、8段しか付かない品種が、10段にもなりました。収穫が楽しみです」と石灰窒素の施用が麦稈分解促進と同時に窒素飢餓対策となり、大豆初期生育が促進された様子がうかがえました。
伊藤さんの石灰窒素への期待感が伝わってくるようなインタビューとなりました。お忙しいなか、ありがとうございました。
(取材協力:JAちば東葛、全農千葉県本部、取材:片倉コープアグリ㈱ 川島、上村、田中)
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