日本石灰窒素工業会

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農家の使用体験記|技術情報

2L、3Lの大玉スイカを連作2 ~トマトやニンジンも葉が厚く、樹勢が増し病気が出にくい~

千葉県富里町 篠原さん

■クロピク剤では健康が損なわれる!
 私の住む富里町は、千葉県のほぼ中央の標高40〜45mの北総台地にあり、畑作中心の町です。土壌は火山灰土で、風に飛び散りやすく、土づくりのしにくいところです。わが家の経営は現在、畑170aにスイカ110aとトマト35a、ニンジン30a、小麦45a、そのほか水稲80aをつくっています。
 私が千葉県農業短期大学校を卒業して農業を継いだときは、つけ瓜の契約栽培を60aほどしていました。ところが、連作が続いて瓜につる割病が大発生してしまい、とうとう栽培が続けられなくなりました。
 これを機に富里名産のスイカをつくり始めました。3年ぐらいは順調でしたが、栽培面積が増大するにつれ連作が続き、青枯病が多くなり、出荷するまでに枯れる株が多くなりました。そのため、今まで使っていたDD油剤からクロールピクリン剤にかえてみると、次の年から青枯病はなくなり、今までどおり栽培できるようになりました。
 しかし、クロールピクリン剤を開けるときや、風向きによってガスを吸い込んだときに涙が止まらず、ものすごい吐き気に苦しみながらも、品質のよいスイカをつくるために我慢していました。とはいっても、これでは健康が損なわれると思い、クロールピクリン剤を使用しなくてもよい方法を普及所に相談したところ「スイカの連作を軽減するのにソルゴーをつくるとよい」とアドバイスされ、さっそく試してみました。これが、土づくりに目覚めるきっかけでした。
■40㎝の深さにプラウで天地返しも
 まず、土づくりは堆肥施用が一番と思い、堆肥盤(70坪)をつくり30PSのトラクタとフロントローダーとリバーシブルプラウを購入しました。できた堆肥を楽に散布するのに集落に機械の利用組合をつくり、堆肥散布機(1t積)とサブソイラーとトレンチャー(幅25㎝)を購入しました。
 スイカを収穫した後の8月上旬にソルゴーを4㎏全面に播き、11月下旬、花が咲いて実が入って硬くなったところ(収量約7t)をフレールモア(カッター)で細かく切り、その後、石灰窒素60㎏を肥料散布機で散布して、40㎝の深さにプラウで天地返しをします。そして、次の年にスイカ専用肥料200㎏とようりん80㎏を散布して、スイカを作付けします。土壌消毒のときにソルゴーが土壌消毒機の爪にひっかかり、消毒ができないのを幸いに消毒しないでスイカを栽培しました。
 その結果、スイカの樹勢が収穫まで青々と続き、2L、3Lの大玉となり大変驚きました。それ以来、土壌消毒なしでスイカを連作しても、今までにない収量となりました。石灰窒素は、まさに魔法の肥料です。近所では今でも、まだあの不快感のあるクロールピクリン剤で消毒して栽培している人もいますが、私のスイカを見てソルゴーをつくる人が増えています。
 スイカの収穫後、土壌消毒をしていたときでも、ネコブセンチュウが少し根に付いていましたが、石灰窒素とソルゴーのコンビネーションのおかげで、消毒なしでもネコブセンチュウの害がなくなりました。
 ニンジンは、DD油剤による消毒なしには売り物になりませんでしたが、小麦の後に石灰窒素60㎏と鶏ふん200㎏、けい酸加里40㎏、過石80㎏で土壌消毒なしでも栽培が可能になり、農薬散布の回数も半分になりました。
■難問だったトマト尻腐病も減少
 トマトは、パイプハウスのなかに2列幅25㎝、深さ45㎝に穴を掘り、稲わら25a分をハウス10aに入れ、石灰窒素80㎏と苦土石灰80㎏を入れ、たっぷり水をかけて埋め戻してから、油かす160㎏と有機ペレット160㎏と過石160㎏を全面に散布してからベッドをつくり定植します。
 稲わらと石灰窒素のおかげで、だんだんネコブセンチュウも減少してきました。8段収穫が終わるまで樹勢が衰えず、年々収量が増えています。それに、今までどんなに苦土石灰(200㎏)を入れてもカルシウム欠乏による尻腐病が防げなかったのに、石灰窒素を使うようになって、尻腐病も少なくなってきました。それにより、石灰窒素のなかのカルシウムが吸収されやすい石灰だということがわかりました。
■共進会で知事賞の栄誉さずかる
 私が石灰窒素を使うようになってよかったのは、土壌消毒なしで栽培が可能になったことです。あの不快感と苦痛をともなうクロールピクリン剤の土壌消毒をしなくて済むようになったことは、何よりの喜びです。それに、スイカ、トマト、ニンジンの葉が以前より厚くなり、樹勢も増したことで病気も出にくくなり、消毒の回数も年々少なくなるのも嬉しいことです。
 平成5年には「私の土づくり」という題で千葉県農業研究会営農改善実績発表大会で最優秀賞をいただき、さらに7年にはスイカの共進会で知事賞をいただき、これも石灰窒素のおかげと感謝しています。これを励みにいっそうの土づくりに頑張ろうと思います。

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