令和4年に 「環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の 促進等に関する法律(みどりの食料システム法)が公布・施行されました。
基本理念には、農林漁業・食料産業の持続的な発展などのために、生産から販売・消費 まで環境負荷の低減に資する取り組みを推進すること、本システムの確立のためには、環 境の負荷軽減と生産性の向上の両立が不可欠であり、その実現に資する技術の研究開発 および活用の推進などを図ることとしています。また、農業の生産面においては、環境負 荷軽減事業活動として、有機農業、土づくり、化学農薬・化学肥料の使用低減、温室効果 ガス排出量の削減などが挙げられています。
環境保全型農業の推進のために平成11年に制定された 「持続性の高い農業生産方式の 導入の促進に関する法律(持続農業法)は、みどりの食料システム法に包含されているこ とから廃止され、所要の経過措置が取られています。
また、平成23年から実施している「環境保全型農業直接支払交付金」制度 (平成26年 から日本型直接支払制度に含まれた)については、温室効果ガスの排出量削減と炭素貯留 を目的として取り組んでおり、化学肥料と化学合成農薬を原則5割以上低減する取り組み と合わせ、全国共通取組と地域特認取組を設定し支援してきました。この制度についても、 令和7年に見直しを行ったうえで、令和9年度を目標に、みどりの食料システム法に基づ き設定を受けた農業者を支援する仕組みに移行することを検討しています。
旧法の持続農業法の支援措置の対象となっていた「持続性の高い農業生産方式」は、① 農地の生産力の維持増進を図る土づくり技術 ②化学肥料の使用低減技術 ③化学農薬 の使用低減技術からなっており、温室効果ガスの排出量削減の取り組み以外は基本的に変 わっていません。
ここでは、これらの技術の中で、石灰窒素が関係する技術、さらに温室効果ガスの排出 量削減など、石灰窒素と環境負荷軽減の関わりについて紹介します。