石灰窒素には、土づくり効果として、酸度矯正効果、腐熟促進効果、温室効果ガス排出削減効果、連作障害軽減効果があります。
石灰窒素のアルカリ分は、消石灰と同等の酸度矯正効果を示し、石灰窒素のカルシウムは吸収されやすいのが特長です。
石灰窒素は、稲わら・麦稈、緑肥作物、作物残渣の腐熟を促進し、土中で堆肥をつくります。石灰窒素は、窒素の供給で腐熟促進に適した炭素率に下げるだけでなく、アルカリ分が酸度を矯正し微生物に最適な環境をつくるため、腐熟促進効果が大きいのが特徴です。
石灰窒素は、有機物の腐熟促進効果により、水田からのメタン、茶園からの一酸化二窒素の発生を低減することができます。石灰窒素は環境保全に貢献する資材です。
石灰窒素は、土壌と混和することで連作障害を軽減することができます。難病や病害等の発生頻度の多い圃場では、太陽熱、石灰窒素と有機物腐熟促進による発酵熱、湛水・密閉による土壌還元を組み合わせた「太陽熱・石灰窒素法」があります。
肥料効果の概要

宮城県古川農業試験場の成績では、「稲わら+石灰窒素」は堆肥についで豊作・不作に関係なく 収量確保ができています。
表 稲わら処理方法と水稲収量(kg/a)
稲わら処理 (県作況指数) |
作況不良年 (75〜104) |
作況平均 (95〜104) |
作況良年 (107〜112) |
20年間 平均収量 |
収量の 変動係数 |
---|---|---|---|---|---|
堆肥 | 52.8(100) | 54.4(100) | 60.9(100) | 55.8(100) | 10.8 |
稲わら | 47.7(90) | 49.5(91) | 57.0(94) | 51.1(92) | 13.3 |
稲わら+石灰窒素 | 51.7(98) | 51.8(95) | 61.0(100) | 54.5(98) | 14.3 |
稲わら焼却 | 48.3(91) | 50.7(93) | 56.4(93) | 51.6(92) | 11.3 |
注1 宮城県古川農試(昭和48〜平成4年の20年間) 注2 土壌、強グライ土壌