(8)環境問題


Q8−4 茶園から発生する温室効果ガスの石灰窒素の削減効果について教えて下さい。

A8−4 農耕地では施肥されたアンモニア態窒素は硝酸化成菌の働きで硝酸イオンとなり、未利用の硝酸イオンは下層に流出し、地下水の硝酸汚染を引き起こします。下層は酸素不足で、その一部は脱窒菌の作用により窒素ガスになりますが、その過程で亜酸化窒素ガスが生成され、大気中に放出されます。亜酸化窒素ガスの温室効果は炭酸ガスの310倍に相当します。
野菜畑に比べ窒素施肥量の多い茶園では亜酸化窒素ガスの発生量が多く、低pH条件で発生が助長されます。窒素施肥量の削減により発生量は少なくなりますが、特に石灰窒素の併用により減少割合が大きくなっています。これは石灰窒素のもつ硝酸化成抑制効果と同時に土壌pH改良効果によるものです。

図8-2 試験圃場の窒素施肥量
図8-2 試験圃場の窒素施肥量
※ 単位は1年間の10a 当たりの窒素量
図8-3 茶園土壌の亜酸化窒素発生量と土壌pH との関係
図8-3 茶園土壌の亜酸化窒素発生量と土壌pH との関係
※ 縦軸に単位は土壌1g から1日に発生する窒素量( μ g)
図8-4 窒素肥料が異なる茶園からの亜酸化窒素生成量の比較
図8-4 窒素肥料が異なる茶園からの亜酸化窒素生成量の比較
※ 縦軸単位は1m2から1時間に発生する窒素量(mg)
(野菜茶業研究所・石灰窒素だより145号)