(8)環境問題


Q8−3 石灰窒素により稲わらの腐熟促進を行うと水田からのメタン発生量が削減すると聞きましたが?

A8−3 温室効果ガスが大きな問題となっています。代表的なものは炭酸ガス(二酸化炭素)ですが、水田から発生するメタンもその一つであり、しかも温室効果は炭酸ガスの25倍に相当します。石灰窒素は水田からのメタン等の温室効果ガスを抑制します。
表8−1は福島県農業試験場の結果で、稲わらのみに比べ稲わら+石灰窒素施用の秋すき込みにより、翌年の稲作期間中のメタン発生量が約5割削減されました。
一方、積雪量の多い地域では稲わらの秋散布・春耕起が実施されています。図8−1は山形県農業総合研究センターの結果で、石灰窒素を秋に表面施用し春耕起で稲わらの分解が進み、メタン発生量が約3割削減されました。
メタン削減効果は、稲作開始までに稲わらの分解が進み、嫌気的条件での稲わらの分解量が減少した結果と考えられます。

表8- 1  水稲栽培期間中の総メタン発生量(gCH4/m2
表8- 1 水稲栽培期間中の総メタン発生量( gCH 4 /m<sup>2</sup>)
(福島農試・石灰窒素だより130号)
(山形農総研・石灰窒素だより148号)
(山形農総研・石灰窒素だより148号)