(8)環境問題


Q8−2 石灰窒素の環境汚染防止効果について説明して下さい。

A8−2 石灰窒素の硝酸化成抑制効果は環境汚染の防止に大変役に立っています。基肥の一部に加えておくだけでも(他の肥料と併用する)硝酸の生成を遅らせ流亡量を少なくします。
また、窒素酸化物(亜酸化窒素など)の生成も抑制するので、大気汚染の防止にも役に立っています。その上、有機物に石灰窒素を添加し好気的に分解すると、メタンガスの発生を少なくし大気の汚染を少なくします。
畜産廃棄物や下水汚泥の良質なものは、土壌改良とともに肥料効果もあり重要な資材です。しかし、未熟なもの、腐熟の進み具合が分らないもの、悪臭を発するもの、重金属を含むものなど、品質が悪くそのまま農地に使用するのは好ましくない資材が少なくありません。
安心して使用できるものを選ぶことが大切です。場合によっては、しばらく堆積保管してから使うのもよいことです。この時、石灰窒素をサンドイッチ状に添加し表面に薄く散布しておくと腐熟が進み重金属は不溶化します。また、悪臭の発生もおさえます。すなわち清潔で汚物感の無い、良い有機質肥料ができます。
このように、石灰窒素の成分シアナミドは重金属イオンと定量的に反応したり、悪臭の発生をおさえる性質を持っています。また、いくつかのQ&Aにあったように、硝酸化成をおさえる性質は地下水の硝酸による汚染を少なくします。
石灰窒素が環境にやさしい肥料であることは、肥料効果がほかより高いことでも分ります。