(8)環境問題


Q8−1 肥料が環境に悪い影響をあたえていると云われているようですが、それはどんなことですか?また、どうすればよいのですか?

A8−1 肥料は地球上の人類にとって必須なものであり、70億人以上の人々が生存できるのも正しく20世紀になって窒素、リン酸、加里肥料が開発・生産され、これにより作物の生産性が著しく向上したことによります。
このように肥料は人類にとって必須なものですが、施用した肥料は作物にすべて吸収される訳ではなく、野菜畑での肥料の利用率は窒素、加里で50〜60%、リン酸は15〜20%とされています。なかでも窒素肥料は多くがアンモニア態であるものの短期間に硝酸態となり、土壌粒子から離れて地下水や河川に流出し、水質汚濁等の環境負荷の一因となります。これは肥料だけではなく畜ふん堆肥にも該当するもので、過剰施用は避け作物の生育に見合った量を施用する必要があります。これと同時に大切なのは肥料利用率を高めることです。肥効調節型肥料の利用、苗の直下に施用する局所施肥、生育に合わせて少しずつ液肥を施用するかん水同時施肥等、施肥法の改善により肥料利用率の向上が可能です。