(6)作物別施用法 (工芸作物他)


Q6−9−2 茶樹の深刈り更新後の刈り取り残渣の腐熟について石灰窒素の効果を教えて下さい。

A6−9−2 茶樹は定期的に深刈り、中刈りにより樹勢の維持、樹形の改善を行っています。切り取られた枝葉は畦間に残置されるため、作業性の面からも枝葉の腐熟を促進し、土づくりに生かしていくことが大切です。
鹿児島県農業開発センターが行った中切り後の有機配合区と石灰窒素区における同窒素量(10kg/10a)での枝葉の分解程度をみると、石灰窒素施用により枝葉が細かくなり、分解が進んでいます。石灰窒素区は有機配合区に比べ土壌中のアンモニア態窒素が高く維持され、枝葉に取り込まれる窒素量が多いこと、強酸性土壌もやや改善され微生物活性が高まり、腐熟が進んだものと考えられます。
翌年の一番茶〜三番茶の収量は石灰窒素区が有機配合区より優っております。石灰窒素区は土づくりの効果により、窒素吸収量が多くなり、増収したものと考えられます。

図6-9-4 処理当年の秋整枝量と(16年)と翌年の収量(17年)
図6-9-4 処理当年の秋整枝量と(16年)と翌年の収量(17年)

図6-9-5 苅落とした枝葉の分解速度推移
図6-9-5 苅落とした枝葉の分解速度推移

(鹿児島県農業開発センター・石灰窒素だより143号)