(6)作物別施用法 (果樹)


Q6−6−3 せん定枝の堆肥化について教えて下さい。

A6−6−3 果樹のせん定枝は貴重なバイオマス資源であり、堆肥化して樹園地の土づくりに役立てるのが最も望ましい方法です。炭素率(C/N)の高いせん定枝を堆肥化させるには副資材として窒素源を混合して炭素率を低下させる必要があります。
青森県農林総合センターでは直径5〜6cmに細断したリンゴのせん定枝に発酵鶏ふん、石灰窒素を加えて良質な堆肥を作成しているので紹介します。
せん定枝チップ100kg当たり発酵鶏ふん8.7kg及び石灰窒素1.7kgを添加して積み込み、ほぼ1ヶ月に1回、少なくとも3回切り返し行うことにより、6ヶ月後には仕上がりとなります。発酵鶏ふん、石灰窒素を加えたときの炭素率は30程度であり、腐熟促進に適した炭素率になったと判断されます。せん定枝1m3当たりに換算すると、炭素率30程度になるような窒素源の投入量は発酵鶏ふんのみの場合は70kg、石灰窒素を併用した場合は発酵鶏ふん26kgと石灰窒素5kg程度になります。
この方法はリンゴのほかナシ、モモ等においても可能であり、作成方法は総じてリンゴの場合と大きな違いはないと考えられます。

図 6-6-2 りんご剪定枝の堆肥化方法
図 6-6-2 りんご剪定枝の堆肥化方法
注)鶏ふんなどの添加量はチップの粒径は比較的粗い場合は踏圧して、細かい場合は踏圧しない状態での1m3に対する量
(青森農林総セ:石灰窒素だより141号)