(6)作物別施用法 (果樹)


Q6−6−2 果樹園での有機物腐熟で石灰窒素はどのような利用方法があるのでしょうか?

A6−6−2 落葉、稲わら等のマルチ資材、緑肥作物の石灰窒素を活用した腐熟促進について紹介します。
1.落葉処理
果樹病害の多くの病原菌は落葉中に寄生して越冬し、翌年に再び新葉に感染して発病します。このため、落葉はそのまま放置せず、園外に持ち出すことが基本です。これに代わるものとしてロータリー耕により落葉を粉砕してすき込む方法があります。落葉が土中に埋設されるため病原菌の繁殖を抑えることができ、一定の効果が期待できます。そのとき、石灰窒素10〜20kg/10aをロータリー耕前に表層散布すると、より落葉の腐熟が促進されます。大切なのは春に落葉が残っていないことが重要です。
2.有機物マルチ
樹冠の周囲は根群域が発達しており、この部分を稲わら等の有機物で被覆するマルチ処理が行われております。有機物マルチにより表土が軟らかくなり、細根量が増加し樹勢回復につながります。石灰窒素をm2当たり約40〜60g表層散布することにより有機物の腐熟促進、可給態窒素の供給が図られ、より多くの細根量が増加すると考えられます。
3.緑肥作物
草生栽培の利点は有機物の補給、土壌の浸食防止、地耐力の増強等の効果があります。最近ではナギナタガヤ、ヘアリーベッチ等の新しい草種が草生栽培用に導入されており、これらの草種は従来の草種と異なり6月になると枯死して地表全面を覆います。このとき、石灰窒素を10〜20kg/10a表層施用により、腐熟促進を兼ねた土づくりに役立ちます。