(6)作物別施用法 (野菜類)


Q6−4−7 果菜類に対してどのような効果がありますか?

A6−4−7 石灰窒素は殺虫・殺菌効果とともに緩効的な肥効があり、施設の果菜類に適した肥料です。その利点を整理すると以下のようになります。なお、石灰窒素は肥効調節型肥料として認定されております。
1.石灰窒素の組成は窒素、炭素、カルシウムであり、硫酸イオン、塩素イオン等の肥料の副成分を含んでいないこと、アンモニア態窒素となってから徐々に硝酸化成作用が進行するため土壌のEC値の上昇を防ぐことができ、同時に石灰の作用により土壌pHの低下も抑えることができます。
2.石灰窒素中のカルシウムは他の土壌改良資材に比べ利用率が高いことから、カルシウム欠乏に起因するトマトの尻腐れ果対策に有効であると同時に堆肥由来のリン酸を可給態の形で補足することができ、リン酸施肥量の削減につながります。
3.施設果菜類の最大の土壌害虫はネコブセンチュウであり、石灰窒素はセンチュウ類を対象に50〜100kg/10aで農薬登録を取得しております。さらに、太陽熱消毒を取り入れることにより多犯性の多くの病害を防ぐことができます。
4.果菜類は栽培期間が長く基肥として施用すると、硝酸化成作用がゆっくりと進行するため、窒素の肥効が長期間にわたって持続します。