(6)作物別施用法 (野菜類)


Q6−4−31 サトイモの芽つぶれ症に対する効果及び施肥法を教えて下さい。

A6−4−31 サトイモは栽培期間が長いため、日持ちのよい肥料が求められており、石灰窒素はサトイモに最適な肥料です。石灰窒素を施用する場合、10a当たり40〜60kgを植え付け前の2週間前に全面に施用して耕起して作畝し、追肥(7月中〜下旬)は畝間に20〜30kg施用して土寄せするか又は土寄せ後の通路に施用します。
サトイモでは芽つぶれ症の発生が栽培上の大きな問題です。芽つぶれ症は子及び孫イモの頂芽部を中心に欠損を生じ、欠損部は平面となったり、陥没して外観が異常となる症状です。原因は石灰欠乏による生理障害です。
岩手県農業研究センターでは慣行施肥と石灰窒素を比較したところ、石灰窒素全量基肥及び石灰窒素基肥−追肥の試験区では、慣行施肥に比べ芽つぶれ症の発生が大幅に減少し、特に石灰窒素追肥により大きな効果がみられます。同時にM級の割合も多く、芽つぶれ症発生防止とともに商品価値の向上と多収生産に結びついています。

図6-4-8 石灰窒素の基肥及び追肥がサトイモの収量・品質に及ぼす効果
(岩手農研センター・石灰窒素だより142号)
図6-4-8 石灰窒素の基肥及び追肥がサトイモの収量・品質に及ぼす効果
(岩手農研センター・石灰窒素だより142号)