(6)作物別施用法 (野菜類)


Q6−4−3 石灰窒素を使うと野菜の品質が良くなるとのことですが、どうしてですか?

A6−4−3 石灰窒素は収量にも品質にもよいという事例や、品質のよい野菜をとっている人の多くは石灰窒素を使用しているという報告があります。
品質がよくなる理由は、まだ十分に解明されていませんが、次のことと関係が深いと云えます。

1.野菜は肥切れすると生育が悪く、短小化し淡色となり、反対に過剰になると塩類濃度障害を起こして病害などを多発し品質が低下する。石灰窒素は肥効が長持ちして肥切れ防止に役立つとともにECを高めない特性から濃度障害防止にも役立ち、この調和のとれた肥効が品質向上につながります。
2.アンモニア態窒素を多く吸収すると野菜は色が濃くなることが知られています。石灰窒素の特性のひとつとしてアンモニア態窒素が土壌中に長く存在することから葉色や果実色が濃色あるいは鮮色となる。このほか、石灰窒素が土壌中で分解するときに生成される微量のアミド態系窒素の吸収も濃色化に関与すると云われています。
3.病虫害の発生は品質を著しく低下させます。石灰窒素の農薬効果は発生抑止に役立ち被害も少なくて品質を良好にします。
4.石灰窒素の石灰は野菜によく吸収され、カルシウム含有量の多い健康な野菜づくりができます。

表6-4-1 石灰窒素で品質向上が得られた、タマネギ施肥法試験成績(奈良県農試・1966年)
表6-4-1 石灰窒素で品質向上が得られた、タマネギ施肥法試験成績(奈良県農試・1966年)
注) 品種:泉州黄 播種:9月22日 定植:11月11日 施肥:基肥10月29日(石灰窒素)
その他は11月4日 全面全層施肥
三要素量(kg/a) N
2.0 P2O5 1.5 K2O 2.0  但し、CDU化成は、P2O5 1.0 K2O 1.5