(6)作物別施用法 (野菜類)


Q6−−27 ダイコンへの使用事例を教えて下さい。

A6−4−27 ダイコンの病害虫のうち、特にネグサレセンチュウによる被害が大きく、ダイコンの肌に乳白色や黒ゴマ粒のような斑点ができます。これまで、この防除には殺センチュウ剤による土壌消毒を行ってきましたが、消毒労力や経費等で問題がありました。殺センチュウ剤を用いない防除法として石灰窒素を使用した試験事例を紹介します。
神奈川県横浜農業改良普及センターでは、石灰窒素を播種10日前に10a当りl00kgを全面散布して軽く耕うんした区とEDBを播種10日前に10a当り30L潅注、5日後にガス抜きを実施した区と比較試験を行いました。その結果、石灰窒素の施用によりセンチュウの被害は全くなく、肌も白色で艶があり品質が優れていました。
ダイコンの産地である新潟市内野町では、肥持ちの悪い砂丘地において、石灰窒素で堆肥を作り、緩効性肥料として10a当たり60kgを毎年施用して、肌の美しい高品質のダイコンを生産し産地を維持しています。

下表は福島県郡山普及センターでの緑肥作物と石灰窒素を併用し増収した事例です。
表6-4-21 ダイコンに関する石灰窒素の施用効果 (福島県郡山普及センター・1985年)
表6-4-23 アスパラガスに対する石灰窒素とソルゴーによる土づくり効果(福島県岩瀬農業改良普及所)
前作にライ麦を栽培、6月18日すき込み、そのときに石灰窒素100kg/10a施用