(6)作物別施用法 (野菜類) |
Q6−4−17 ハクサイに対する石灰窒素の施用方法を教えて下さい。 |
A6−4−17 下表は、ハクサイに対する肥効について検討した事例で、基肥に硫安60kg/10a施用した対照区と石灰窒素60kg/10a施用区を比較試験しました。両区とも植付け前に堆肥2t/10a、化成肥料を基肥、追肥に窒素で12kg/10aを同量施用しました。 通常年は収量が6〜8t/10aですが、本年は気象条件に恵まれたこともあって、12t/10a以上の収量が得られ、特に石灰窒素区は10%以上の増収となり、肥効が高いことを示しています。 表6-4-12 ハクサイに対する石灰窒素の肥料効果(鹿本農業改良普及所、1979年) (kg/10a)
表6-4-13は、岩手県農試が露地マルチ栽培で太陽熱・石灰窒素法も効果をみた試験です。根こぶ病の発病程度が全体的に低い圃場で収量差は大きくありませんが、露地の場合でも、太陽熱・石灰窒素法により根こぶの発生はみられていません。軽度の発生圃場では効果が高いことを示している事例です。 表6-4-13 ハクサイに対する露地太陽熱・石灰窒素法の根こぶ病防除効(kg/10a)(岩手県農業試験場、1988年)
また、残渣処理は以下の方法にて病害を軽減することが知られています。 1.被害発生圃場では作付け前にクロールピクリンなどの土壌消毒剤を使用し、防除してから作付けする。 2.収穫後、直ちに粉状(または防散)石灰窒素をl0a当たり80kgをハクサイ収穫残渣上に散布する。(残渣によく付着するよう朝露のあるときがよい)。 3.2週間程度そのまま放置した後、残渣を圃場へすき込む。 4.2作目以降は土壌消毒を行わず、石灰窒素による残渣処理のみをする。 |