(6)作物別施用法 (野菜類)


Q6−−15 キャベツに対する根こぶ病防除を兼ねた石灰窒素の施用方法を教えて下さい。

A6−4−15 冬キャベツの全国一の産地である愛知県東三河地域の事例を紹介致します。東三河地域は赤黄色土壌が主に分布し理化学性が劣悪で、この改善のため畜ふん堆肥が継続的に施用されています。最近では、窒素の過剰施肥も加わり環境への負荷が大きな問題となっています。
試験区は次表のように慣行区、尿素N50kg区、石灰窒素+尿素削減区で、事前に牛ふん堆肥3t/10a施用し、キャベツの定植は9月上旬に行っています。
栽培期間中の土壌溶液の硝酸態窒素含量をみると石灰窒素+尿素削減区は11月下旬以降の結球期になっても尿素50kg区と同等の含量を維持しており、基肥として石灰窒素100kg(N:20kg)/10a施用した窒素が徐々に硝酸態となり肥効が持続していることを示しています。収穫期は1月下旬で石灰窒素+尿素削減区は他の2区に比べ多収になり、石灰窒素を基肥施用することにより根こぶ病防除を兼ねた施肥量の削減が可能で、環境負荷の軽減に役立ちます。

表6-4-10 試験区の概要
表6-4-10 試験区の概要
注) 石灰窒素は定植約2週間前に施肥

図6-4-5 03年作における土壌溶液中の硝酸性窒素濃度
図6-4-5 03年作における土壌溶液中の硝酸性窒素濃度

図6-4-6 施肥量と施肥の種類がキャベツの収量に与える影響
図6-4-6 施肥量と施肥の種類がキャベツの収量に与える影響

(愛知農総研・石灰窒素だより139号)