(6)作物別施用法 (野菜類)


Q6−4−12 イチゴに対する太陽熱・石灰窒素法の効果を教えて下さい。

A6−4−12 昭和50年、初めて奈良県の農業改良普及所宮本氏により太陽熱・石灰窒素法によるイチゴの連作障害である萎黄病防除対策が明らかにされ、それ以後、数多くの病害虫に対する効果のあることが実証されるようになりました(Q4−1〜5参照)。
イチゴはキュウリ、ナス等の果菜類に比べ無機態窒素含量の適正域が低いため、慣行の方法では濃度障害を起こしやすく、太陽熱・石灰窒素法を実施するには以下の点に留意して下さい。
1. イチゴ苗作付け前のEC値は0.2ms/cm前後あれば十分であり、EC値が高い場合、基肥窒素は無施肥又は半量以下とする。
2. 太陽熱消毒で使用する有機物は畜ふん入りの堆肥は避け、稲わら、麦わらなどの炭素率の高い素材を用いるようにする。
3. 土壌pHが6.5以上のときは石灰質資材の施用は取りやめ、石灰窒素の使用量も減らします。

宮城県亘理郡亘理町逢隈 西部園芸組合の事例を紹介します。
処理方法
1.すき込み時期:グリーンソルゴーを36日間生育させ、8月5日(生草量約7t、乾物重約1.4t、出穂前)すき込み。
すき込み方法:ソルゴーを裁断後、石灰窒素50kg/10aを全面散布し深耕ロータリーですき込み。
2.太陽熱・石灰窒素の処理
処理期間:8月5日〜25日(21日間)、 処理方法:管理機で幅40p、高さ20pの畦を立てポリマルチで被覆後潅水。
3.試験結果
作型:麗紅(品種)半促成栽培、 採苗:7月下旬〜8月上旬、 基肥:無施用、 定植:9月20日、保温開始:11月20日〜25日、 収穫開始:2月上旬

表6-4-7 生育調査(調査月日3月8日)
表6-4-7 生育調査(調査月日3月8日)

表6-4-8 ソルゴー分解状況
表6-4-8 ソルゴー分解状況

表6-4-9 土壌分析調査
表6-4-9 土壌分析調査