(6)作物別施用法 (麦類)


Q6−2−1 麦の基肥に石灰窒素を使用したいのですが、どのような効果がありますか?

A6−2−1 石灰窒素は稲わら腐熟と硝酸化成抑制効果があり、この特性を活かして水田裏作麦の施肥、土づくりに広く使用されています。
滋賀県の試験結果を紹介します。石灰窒素入り肥料を通常よりやや早めに施肥し、その分基肥窒素量を少なくした石灰窒素区と同窒素量の農家慣行施肥区を比較したものです。石灰窒素入り肥料を用いた試験区はやや子実の収量増と同時に、タンパク含量が高くなり、栽培期間中に流出する硝酸態窒素量も少なくなっています。これは石灰窒素の硝酸化成抑制効果により麦作期間中の窒素含量が高く維持され、窒素の肥効率向上により収量及びタンパク含量増加に結び付いたものと考えられます。

表6-2-1  現地輪換畑の水稲跡小麦栽培における石灰窒素入り肥料の施用効果(滋賀農総セ、2000年)
表6-2-1 現地輪換畑の水稲跡小麦栽培における石灰窒素入り肥料の施用効果(滋賀農総セ、2000年)
注:1)試験圃場:安土町大中。土壌条件:細粒グライ土。稲わら全量鋤込み。品種:農林61号
    本暗渠:10m間隔。弾丸暗渠5m間隔。
   2)石灰窒素入り肥料施用区は「稲ゆたか2号」(石灰窒素と熔リンを2:8で配合した肥料)を施用。
   3)石灰窒素入り肥料施用区:10/30、播種・基肥:11/5、穂肥:3/6、出穂前追肥:4/19、収穫:6/15。

図6-2-1 小麦栽培期間中の流出負荷量 (滋賀県農総セ・2000年)
図6-2-1 小麦栽培期間中の流出負荷量  (滋賀県農総セ・2000年)