(6)作物別施用法 (水稲)


Q6−1−2 石灰窒素が水稲の基肥に適していると云われるのは、どんな理由からですか?

A6−1−2 水田に水を張ると土壌中の酸素が減り、いろいろな物質は酸素不足の状態(還元状態)になります。硫安に含まれる硫黄は還元状態になると硫酸から硫化水素に変わり根を傷めます。石灰窒素は無硫酸根肥料(硫黄を含んでいません)ですからこの心配はありません。
施肥したアンモニア態窒素は湛水前の土中では次第に硝酸態窒素に変わります。この硝酸態窒素は土に吸着されないので流亡や脱窒が多くなるので水稲の基肥には適しません。しかし、石灰窒素は他のアンモニア系肥料にくらべて硝酸化が遅いため(硝酸化成抑制の効果)流亡や脱窒が少なく肥効が高くなります。このほか石灰窒素を基肥に使うと雑草発生を抑制する効果も知られています。