(5)有機物分解促進効果


Q5−6 各種の腐熟促進資材と石灰窒素では稲わらの腐熟効果に違いはありますか?

A5−6 石灰窒素、各種微生物資材ともに稲わら腐熟には有効です。全農技術センターでは前年の秋(11月)に各種資材を添加した稲わらを埋設し、翌年5月までの炭素の分解率を測定しました。表5−4の結果をみると3ケ月後では同等、6ケ月後では石灰窒素添加処理区は他の資材に比べやや優る結果を示しております。また、図5−3は腐熟後の折れ曲がり強度を測定したものです。石灰窒素添加では他資材に比べ折れ曲がり強度が低下し、稲わらの組織がより脆くなっております。
水田では稲わらすき込み後、翌年の稲作開始までに2〜3回のロータリー耕が実施されます。石灰窒素施用で稲わら強度が低下すると、ロータリー耕等の物理的衝撃で稲わらがより細かくなって表面積が多くなり、分解が進むものと考えられます。

表5-4 各種稲わら腐熟促進資材施用時の稲わらの分解率(全農.2011)
表5-4 各種稲わら腐熟促進資材施用時の稲わらの分解率(全農.2011)
注:神奈川県平塚市水田圃場(灰色低地土)で11月に資材を添加した稲わら埋設。
  カッコ内の数字は対照比。
出典: よくわかる土と肥料のハンドブック 土壌改良編〔J A 全農 肥料農薬部( 農文協) 〕


図5-3 各種稲わら腐熟促進材施用時の稲わらの折れ曲がり強度(全農.2011)
図5-3 各種稲わら腐熟促進材施用時の稲わらの折れ曲がり強度(全農.2011)
注:稲わらの折れ時点の加重(重量(g)/わら直径〈mm〉)を稲わら分解の指標とした。
  分解が進むほど折れ曲がり強度は小さくなる。
出典: よくわかる土と肥料のハンドブック 土壌改良編〔J A 全農 肥料農薬部( 農文協) 〕