(5)有機物分解促進効果


Q5−3 有機物の種類によっては炭素率が高くて腐熟しにくいとのことですが、炭素率を低下させるのにどれくらい石灰窒素が必要ですか?

A5−3 炭素率の高い有機物を早く腐熟させるには、窒素を添加し炭素率を30ぐらいにする必要があります。この炭素率の調整に必要な窒素の添加量は、次式から求めることができます。
X=C/A−N
X : 添加する窒素の割合、 C : 材料の炭素量、 N : 材料の窒素量、 A : 矯正する炭素率
この式に当てはめて具体的に石灰窒素の必要な量を算出したのが 表5-2です。稲わらの場合、C=42、N=0.6(この場合の炭素率は70)、A=30です。
X=42/30−0.6によりX=0.8(%)になります。これは1tの稲わらに窒素量8kgが必要という計算になり、石灰窒素に換算すると40kgになります(通常、10aの稲わらの目安は500kgなので石灰窒素の必要量は20kgとなります)。

表5-2 粗大有機物(1t)の炭素率低下に必要な添加窒素量
表5-2 粗大有機物(1t)の炭素率低下に必要な添加窒素量
* 石灰窒素の窒素含量21%で計算
おがくずやバークには炭素率がきわめて高いものがあり、添加する窒素量を算出すると多量に必要となります。多量の窒素量を一時に添加すると脱窒や流出が多くなるので添加する石灰窒素量は材料1t当たり20〜100kgからはじめ、その後の腐熟状況をみながら追加するようにします。