(5)有機物分解促進効果


Q5−14 生ゴミ堆肥を作りたいのですが、どのように石灰窒素を使えばよいのですか?

A5−14 家庭から排出される生ゴミの処理方法は、環境衛生上から処理方法が社会的な問題となっています。一方この生ゴミを堆肥化し土に還元して「土づくり」に活用することは、一石二鳥にもなりますので是非おすすめします。
生ゴミの堆肥化は、生ゴミを「腐熟」させるのであって 「腐敗」させるのではありません。生ゴミ(有機物)を堆肥化するためのポイントは適切な水分と空気を供給し、好気性の微生物を増殖することです。生ゴミの水分を55〜60%にすることが好ましいので 80%以上もある通常の生ゴミは水切りをするか、乾燥した有機物(落葉、枯草、もみがら、乾いた土など)を混ぜるなどして水分を減らし空気とのバランスをとり好気性微生物の活動環境を整えることが大切です。したがって空気が不足すると嫌気性の微生物が増殖するので、腐敗を起こし悪臭、ウジ、ハエが発生します。
また、生ゴミをコンポスターなどの容器に入れただけでは、生ゴミから有機酸が発生して酸度(pH)が低下し、これによって好気性微生物の増殖がおさえられ腐熟が進まなくなります。腐熟を促進するためには酸度を微酸性から中性に保つことも必要です。石灰窒素は微生物の増殖に必要な「餌」である窒素とアルカリ分を含んでいるので腐熟促進の添加剤として最適の資材です。なお、石灰窒素の主成分シアナミドには殺虫効果があるのでハエ、ウジの発生が著しく少なくなります。また、悪臭の発生も抑制します。
それではご質問の生ゴミの堆肥づくりをコンポスターを使っての作り方を紹介します。
1.容器の下を10pほど土に埋めて下さい。
2.容器の底に石灰窒素を全面散布します。
3.つぎに、毎日の生ゴミ、雑草、落葉などを入れます。(生ゴミは水分が多く繊維分が少ないので水分調整のため乾いた土を1kg程度5〜7日おきに入れる。落葉や乾いた雑草などは空気調整のためにも効果があります)
4.数日おきに石灰窒素を全面に薄く散布します(20〜30g)。
5.3.〜4.を繰り返します。
6.2〜3ヵ月ほど経ったら容器を外し切り返しを行います。切り返したら山型に積みビニールフィルムをかぶせ雨にあてないようにします。ビニールフィルムは風で飛ばないようにします。
7.切り返しをして1ヵ月ぐらいおきます。ビニールフィルムを開けて堆肥の色が黒く変わって原形をとどめない程度になっていれば完熟です。なお、容器は2個以上で交互に使用すると効率的です。