(3)農薬効果


Q3−8 スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)の防除に効果があると聞きましたが、使用法をお教え下さい。

A3−8 ジャンボタニシは昭和46年頃に食用にするため台湾から輸入し、水田で養殖が始められました。当時は新しい食品としてブームを呼びましたが、現在は養殖が放棄され水田や水路で繁殖して水稲(田植え直後の稲)、レンコン、ミズイモ、イグサなどに被害を与えています。特徴はその名のとおり在来のタニシよりも体型がかなり大きく殻高は5〜6cmに達しています。食べ物は上記の作物のほか野菜くずや死魚の肉片も食べる雑食性で、その上繁殖が早いため被害の拡大が心配されています。産卵は年間20〜30回、1回当たりの産卵数は200〜300粒におよびます。
石灰窒素は他の薬剤に比べ駆除効果が高く、農薬登録されています。使用手順は以下のとおりです。

石灰窒素の使い方
[1]田植え前防除のとき(春施用)

図3-4 スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)の防除イメージ図
図3-4 スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)の防除イメージ図

注意点

なお、田面水を系外に流出させないために少なくとも7日間はそのまま湛水状態を保ち、落水、かけ流しは行わないで下さい。

[2]稲刈り後の防除のとき(秋施用)
注意点
方法は田植え前使用と基本的に同じです。耕起する必要はありませんが、稲刈り後の水田に水を張れるところでなければなりません。石灰窒素を含んだ水が流れださないように漏水の防止には気を付けて下さい。稲刈り後に使用した石灰窒素は稲わらの腐熟促進、ヒエの休眠覚醒にも役立ちます。
なお、石灰窒素には魚毒性もあるので散布した水田から流亡、溢水しないように注意して下さい。

図3−5石灰窒素のスクミリンゴガイに対する防除効果
図3−5石灰窒素のスクミリンゴガイに対する防除効果

表3 - 6 秋季に圃場を湛水して石灰窒素を処理した場合のスクミリンゴガイに対する効果
表3 - 6 秋季に圃場を湛水して石灰窒素を処理した場合のスクミリンゴガイに対する効果