(3)農薬効果 |
Q3−7 バレイショの茎葉枯凋を目的とした使用法を教えて下さい。 |
A3−7 バレイショは茎葉が自然に枯凋を終えるまでに収穫を遅らせると、収穫適期を過ぎて塊茎の維管束が褐変し、品質の悪化を招く恐れがあります。また、茎葉が繁茂状態のときは収穫機械に茎葉がからんで能率低下につながり、高品質生産のためには茎葉が黄化し始めた時期に枯凋を促進させ適期に収穫することが必要です。 枯凋を促進させるため除草剤散布が行われますが、石灰窒素はバレイショの茎葉黄変期の茎葉枯凋剤として10〜15kg/10a散布で農薬登録されています。 長野県佐久農業改良普及センターでは早朝の茎葉が濡れたときに防散石灰窒素を散布し、日中散布の除草剤との比較で処理後の茎葉枯凋日数、維管束褐変の違いを検討しております。この結果をみると、石灰窒素は除草剤に比べ茎葉枯凋日数はやや劣りますが、維管束褐変率は除草剤に比べて少なく、特に2Lサイズでは大きな差がみられました。 実用的には石灰窒素を10〜15kg/10aを粉で均一に散布するのは難しいため、水に溶かして散布する方法がとられております。水100Lに石灰窒素10〜15kgを徐々に加えハンドミキサーなどを用いよくかき混ぜて沈殿物が固まらないようにします。石灰窒素を加えると発熱し水温が上がりますが、50℃以上にはしないように徐々に加え30℃ぐらいに保つようにして下さい。石灰窒素の水溶液の作り方を図3−3に示しました。 表3−4 ばれいしょの収穫期における茎葉枯凋処理(佐久農業改良普及センター・1994年) 試験地:東御市御牧原1424 表3−5 ばれいしょ塊茎の維管束褐変の相違(佐久農業改良普及センター・1994年) 指数の発生基準 指数0:塊茎切断面の雑管束に褐変が見られない 指数1:基部に近い維管束がわずかに(5o未満)褐変 指数2:維管束の1/3未満が褐変 指数3:維管束の1/3から2/3未満が褐変 発生率=褐変がみられる個体数/調査個体数×(100%) 発生度=Σ [指数×該当個体数]/最大指数(4)×調査個体数×100 (石灰窒素だより144号) 図3-3 石灰窒素の水溶液のつくりかた |