(3)農薬効果


Q3−5 土壌のセンチュウ防除にはどのように使ったらよいのでしょうか?

A3−5 センチュウは線形動物門に属する体長1mm以下のウナギ形をした土壌動物で、善玉の自活性センチュウと悪玉の寄生性センチュウがおります。連作や地力が低下すると悪玉センチュウが増加し、先端部にある口針を刺して根に侵入し、産卵を繰り返して増殖します。最も被害が大きい悪玉センチュウはネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウ、シストセンチュウです。ネコブセンチュウは主にキュウリ、トマト、メロン、スイカ等の果菜類、ネグサレセンチュウはダイコン、ニンジン、ゴボウ、ヤマトイモ等の根菜類、シストセンチュウはダイズ、アズキ等のマメ類、ジャガイモ等のナス科野菜を加害します。
石灰窒素を利用した防除方法は作付け前、播種前に10a当たり50〜100kgを全面散布又は作条に施用し作土と混和します。センチュウは地中で卵の形で越冬し、その間は薬剤に対する抵抗性が強くなります。春先になって地温が15℃以上になると卵からふ化した幼虫の動きが活発になるため、この時期を狙って施用すると効果が高まります。特に発芽直後に寄生されると被害が大きくなるため初期防除が重要になってきます。
センチュウ防除にはマリーゴールド、ヘイオーツ、ソルガムなどの殺センチュウ効果のある対抗植物があります。緑肥として対抗植物を栽培し、すき込み時に石灰窒素を添加すると殺虫効果と同時に緑肥の腐熟を早める効果があり、土づくりにより善玉の自活性センチュウが活躍できるようになります。

図3-1 石灰窒素のセンチュウ類に対する防除効果
図3-1 石灰窒素のセンチュウ類に対する防除効果