(3)農薬効果


Q3−4 石灰窒素を利用した休眠覚醒の効果的な使用方法を教えて下さい。

A3−4 石灰窒素の主成分シアナミドには種子の休眠を覚醒させる効果があり、種子がシアナミドに接触すると呼吸阻害を起こし、発芽を誘発するとされています。ノビエの休眠覚醒は以前から知られておりますが、最近ではカラスムギ、ネズミムギ、漏生イネにも効果が明らかになっています。
ノビエの種子は稔実したときは休眠しており、自然条件では冬を経過しなければ発芽しません。
翌年になると多発生するため、その間にノビエの種子数を削減させる必要があり、対策として石灰窒素の休眠覚醒効果が利用されています。
稲刈り後できるだけ早く石灰窒素40〜50kg/10aを全面散布すると、地表に落ちているノビエの種子は休眠が覚醒して発芽し、冬の寒さで枯死します。発芽には18℃以上の平均気温が約15日続き、且つ土壌中に発芽できる水分が必要です。秋に発芽しなかった場合は、春先の田植え前に発芽します。このときにすき込めば楽に防除できます。

表3-3 石灰窒素のヒエの防除効果(富山県農試・1967年)
表3-3 石灰窒素のヒエの防除効果(富山県農試・1967年)
(C) 自然条件を対象とした春先の発芽率85.3〜97.4%を考慮した防除率