(2)肥料効果


Q2−4 石灰窒素と堆肥を併用すると土壌中の有効態リン酸含量が大幅に増加するのは本当でしょうか?

A2−4 これは黄色土での22年間の和歌山県農技センターの試験結果です。
試験は硫安区、有機物+硫安区、有機物+石灰窒素区の3処理で、有機物はオガクズ牛ふん堆肥、施用量は毎作1.5t/10aです。作物はサツマイモ、カボチャ、レタス、キャベツで年2作、合計44作栽培しています。
堆肥に合わせて石灰窒素を施用すると、石灰窒素の働きで土壌のpH、交換性石灰が改善され、リン酸がアルミウムや鉄と結びつき不溶化するのを抑制します。石灰窒素に含まれるカルシウムがカルシウム型リン酸を生成することで、作物に吸収されやすい形に変わり、土壌に蓄積されることを本試験は示しています。
家畜ふん入りの堆肥にはリン酸が多く含まれております。石灰窒素は堆肥中のリン酸を可給態リン酸として引き出す効果があり、石灰窒素と堆肥を併用したときはリン酸施肥量の大幅な削減をすることが可能です。

図2 - 5 土壌改良資材が有効態リン酸含量
図2 - 5 土壌改良資材が有効態リン酸含量
図2 - 6 石灰窒素の施用効果
図2 - 6 石灰窒素の施用効果
(和歌山県技センター.石灰窒素だより145号)