(1)石灰窒素のあらまし


Q1−2 石灰窒素の主成分シアナミドの性質について紹介して下さい。また、植物体内でも作られるのは本当ですか?

A1−2 石灰窒素の主成分はカルシウムシアナミドで土の中で加水分解してシアナミドと水酸化カルシウムになります。シアナミドは殺虫、殺菌、除草、休眠覚醒効果があり、地温により異なりますが、1週間前後を経過すると尿素に、その後無機態窒素になります。シアナミドは農薬−肥料という複合的な作用を有しております。
石灰窒素は工業的にカーバイトに窒素ガスを反応させて合成しますが、その主成分のシアナミドが植物体内でも作られることを元農業環境技術研究所藤井先生により発見されました。マメ科の緑肥作物ヘアリーベッチは多感作用といって根から特定物質を出して周囲の雑草を枯死させる殺草効果があり、この物質がシアナミドであることを明らかにしました。
シアナミドは農薬効果発揮後、窒素肥料となり、肥効調節型肥料として持続的な肥効を示し環境への負荷が少ないこと、さらに植物体内でも生成されることは石灰窒素の新しい意義づけになると考えます。